「老害」と呼ばせないための生存戦略について考えた日

最近、シニアエンジニアに関するアンケートを見ていたら、

「頑固」 「使いづらい」 「若手マネージャーが扱いに困る」

みたいな言葉が並んでいた。

正直、昔はこういうのを見ると、 「いやいや、単純に実力不足のシニアが嫌われてるだけでは?」 くらいに思っていた。

でも、自分もそれなりに年齢を重ねてくると、少し違う景色が見えてくる。

これは単なる性格の問題ではなくて、日本の組織構造そのものが持っている“詰みポイント”なんじゃないか、と。

日本って、やっぱりどこかに儒教的な空気が残っている。

年上を立てる。 強く言いづらい。 露骨に指示を出しづらい。

これ、普通の社会では美徳なんだけど、スピードが必要なエンジニアリング組織だと、時々かなり厄介になる。

若いマネージャーからすると、年上のシニアエンジニアに対して、

「そこ違います」 「そのやり方やめてください」 「優先順位変えてください」

を言うだけでも、結構エネルギーを使う。

しかも、相手がベテランで実績もあると、なおさら難しい。

結果としてどうなるか。

「気を遣うくらいなら、最初から頼まない」

になる。

これが、いわゆる「使いづらいシニア」の正体なんじゃないかと思っている。

だから最近、自分の中では、シニアエンジニアの生存戦略って、結局2択なんじゃないかと考えている。

1つ目は、グローバル側へ逃げること

つまり、日本的な空気が薄い場所へ行く。

海外案件とか、外資系とか、英語が共通言語のチームとか。

ああいう場所って、良くも悪くもドライだ。

年齢より、成果。 空気より、デリバリー。

だから、年上だろうが関係なく普通にレビューされるし、普通にダメ出しされる。

でも、その代わり誤魔化しが効かない。

英語力も必要だし、 「この人、年齢じゃなくて本当に強い」 と思われるアウトプットが必要になる。

ただ、日本的な“気遣い地獄”からはかなり解放される。

これは大きい。

もう1つは、「村の古老ポジション」を取ること

最近これ、かなり大事だと思っている。

自分が前に立って全部引っ張ろうとすると、若手マネージャーと衝突しやすい。

だから、あえて主役を降りる。

若手にハンドルを渡す。

その代わり、

「難しい障害のときだけ出てくる」 「設計レビューで事故を止める」 「昔ハマった地雷を知っている」

みたいな、“村の古老”ポジションに寄せる。

これが意外と強い。

若手から見ても、 「面倒な年上」ではなく、 「困ったときの最終兵器」になる。

もちろん、これって簡単ではない。

技術を追うのをやめた瞬間に、ただの昔話おじさんになる。

だから最新技術は理解し続ける必要がある。

でも、それ以上に難しいのは、 「口を出しすぎない」 ことかもしれない。

経験がある人ほど、 「それ昔失敗したやつ」 を大量に知っている。

だから、つい止めたくなる。

でも、全部止めると、若手は育たないし、組織も回らない。

結局、 “致命傷だけ止める” くらいがちょうどいいんだろうなと思う。

どちらの道を選ぶにせよ、最後に残るのはやっぱり技術力なんだと思う。

英語圏に行くにしても、 賢者ポジションになるにしても、

「この人がいると助かる」

を作れないと厳しい。

年齢を重ねること自体は悪ではない。

問題なのは、その経験を、 若手への“圧” として使うのか、 チームの“安全装置” として使うのか。

最近はそんなことを考えている。