仕様書はもういらない?GitHubとADRで変わった、AI時代の他部署連携

最近、他部署と連携するシステムを作る機会があった。

昔なら、この手の仕事は結構憂鬱だった。

まず分厚い仕様書を読まされる。 認識が違う。 会議をやる。 また違う。 仕様書を修正する。 そしてまた会議。

そんな流れが当たり前だった。

ところが今回改めて思った。

AIとGitHub、それにADR(Architecture Decision Records)が普及した今、この手の開発スタイルはずいぶん変わった。

ソースコードがお互い見える

一番大きいのはここだ。

私のコードも相手のコードもGitHubで見られる。

もちろん全部を読むわけではない。

でも必要になれば、

「このデータはここで作っている」 「このAPIはここから呼ばれている」 「この変更なら影響範囲はここだな」

ということがすぐ分かる。

昔のように、相手のシステムを想像で語る必要がない。

AIを使えば、相手のリポジトリもコンテキストに入れながら設計を考えることもできる。

これが結構大きい。

主役は仕様書ではなくADR

では設計変更や質問はどうするのか。

ここでADRが出てくる。

昔ならメールを書いたり、チャットで長々と説明したりしていた。

今はAIに状況を読ませてADRを書かせる。

質問も提案もADR。

返事もADR。

実際にはこんな流れになる。

驚くほどシンプルだ。

的外れな会話がほとんどない

このやり方で一番驚いたのはここだった。

昔は相手のシステムが見えない。

だから想像で質問する。

結果として、

「いや、それはもうあります」 「そこじゃありません」 「そういう実装ではありません」

というやり取りが何度も発生していた。

今は違う。

コードを見た上で質問する。

例えば、

「このクラスのこのメソッドへ、このデータが渡るなら、こちらはこの部分だけ変更すれば繋がりそうです」

というレベルから話が始まる。

最初から議論の中心に入れる。

無駄なキャッチボールが本当に減った。

ドキュメントは消えたわけではない

仕様書が不要になったと言いたいわけではない。

正確には、必要なドキュメントが変わった。

昔は仕様書を書くことが仕事だった。

今は「なぜこの設計にしたのか」を残すことのほうが重要になっている。

コードはGitHubにある。

実装はAIがかなり読んでくれる。

だから人間が残す価値があるのは、意思決定の理由だ。

それを記録するのがADRになる。

GitHubでコードを共有する。

AIでADRを書く。

Slackで非同期に合意形成する。

そして現場では「これいけそう?」と確認して実装する。

最近の他部署連携は、そんな感じになってきてる。

AIが仕様書を書き換えたというより、人間同士のコミュニケーションそのものを書き換え始めている。

たとえばADRの概要までは人間が読むが、詳細はAIまかせにになってきてる。

昔で言えばプロマネが他部署のプロマネと折衝してるイメージである。詳細はわからないが方針は決めていく。

人間が書き、人間が読む仕様書から、人間が承認し、AIが読むドキュメントへ。開発現場は静かに変わり始めている。