【開発ディストピア?】テストも修正もAIドリブン。進捗は圧倒的だが、誰もコードを分かっていない

今関わっているプロジェクトが、かなり面白いことになっている。

完全にAIドリブンである。

AIを使ってコードを書くこと自体は、もう珍しくもない。私も普段からAIにかなりの部分を書かせている。

しかし最近、テスト側もAIを本格的に使い始めた。

これが想像以上に強い。

テスト側のAIが、私より私のコードを理解している

私がプログラムをデプロイ環境に納品すると、テストチームによる検証が始まる。

もちろん人間のテスターもいる。ただ、どうやら裏ではAIを使ってソースコードの解析までしているらしい。

こちらのソースコードはテスト側にも共有されている。

そして返ってくる指摘が細かい。

単に、

「この画面でエラーが出ました」

ではない。

「この処理はこの条件を考慮していないので、こういうケースで問題が起きる。ここを修正してください」

というレベルで返ってくる。

つまり、動作結果だけを見ているのではない。コードを読んだ上で原因までかなり絞り込んでいる。

正直に言えば、テスト側のAIは私より私のコードを理解している気がする。

まあ、そのコードを書いたのもかなりAIなのだが。

Markdownを右から左に流すだけで修正が終わる

さらに恐ろしいのは、その後だ。

テスト側からMarkdown形式の指摘書が届く。

原因と修正箇所がかなり具体的に書いてある。

私はそれをローカルのAIに渡す。

「これ読んで。直して」

以上。

AIはコードを確認し、指摘内容を理解して修正する。

私は差分を確認して、問題なさそうならデプロイする。

昔なら、テスト結果を確認して、ログを調べて、再現させて、原因を特定して、修正方法を考えていた。

今は相手のAIが原因を調べ、こちらのAIが修正する。

人間である私は、Markdownファイルを右から左に流しているだけだ。

もはやAI同士が会話している。

相手AI「ここがおかしい」

こちらAI「了解。直しました」

私「はい、次」

そんな感じである。

進捗は圧倒的

当然だが、プロジェクトの進捗はものすごく速い。

テストと修正のサイクルが異常な速度で回る。

しかもAIは疲れない。

同じような指摘が何十件あっても文句を言わないし、「今日はもう集中力が切れました」とも言わない。

人間が原因調査に半日使うような問題でも、テスト側AIがすでに原因候補を示している。

こちらはその情報を開発側AIに渡せばいい。

昔の開発現場を知っている人間からすると、かなり異常な光景である。

そして非常に楽だ。

しかし、誰もコードを把握していない

ただ、一つだけ恐ろしいことがある。

プロジェクトの人間が、誰もソースコードを完全には把握していない。

テスト側のAIはコードを把握している。

私のAIもコードを把握している。

しかし、人間は把握していない。

私自身、自分の担当範囲なら大まかな構造や設計思想は分かる。

しかし、

「この処理の細かい分岐は?」

「この例外処理はなぜこうなっている?」

「この修正で別のロジックにどんな影響が出る?」

と突然聞かれたら、コードを見ないと分からない。

というより、コードを見てもAIに聞いたほうが速い。

テスト側も同じだと思う。

AIがコードを解析して問題を見つけ、別のAIが修正する。

人間はその間に立って承認している。

進捗だけを見ると完璧である。

しかし、プロジェクトの知識が人間ではなくAI側に偏り始めている。

これは理想の開発現場なのか、ディストピアなのか

今のところ問題はない。

むしろ快適だ。

進捗は速い。バグも見つかる。修正も速い。

エンジニアとしては、これ以上ない環境かもしれない。

ただ、少しだけ怖い。

人間が理解していないシステムを、AIがテストし、AIが修正し、さらに巨大化させていく。

ある日、本当に致命的な問題が起きたとき、人間はどこまで対応できるのだろうか。

まあ、そのときもAIに聞くのかもしれない。

そしてAIが、

「原因を特定しました。修正しますか?」

と聞いてくる。

私はたぶん、

「お願いします」

と答える。

今のところ、それでプロジェクトは圧倒的に進んでいる。

だから余計に怖い。