MBAのマーケティングの先生が、YouTubeで苦戦しているのを見た話
先日、何気なくYouTubeを見ていたら、見覚えのある顔が流れてきた。
10年ほど前、私がMBAで「ITマーケティング」の講義を受けていた先生である。
懐かしくなって動画を開いてみた。
そして、思わず二度見した。
多くの動画で再生回数が二桁しかなかった。
サムネイルを見る限り、手を抜いているようには見えない。
動画もきちんと編集されている。
それなのに、ほとんど再生されていない。
ITマーケティングを教えていた先生の動画が、この数字。
なんとも考えさせられる光景だった。
そういえば、昔、自分でもYouTubeに動画を上げたことがある。
「少しノウハウを公開してみよう」と思って始めたのだが、動画を一本作るだけで想像以上に時間がかかる。
「あ、これは続かない。」
そう思って、すぐにやめてしまった。
ただ、適当に作ったその動画の方が、今回見た先生の動画よりははるかに再生されていた。
もちろん、それだけで私の方がマーケティングが上だと言うつもりはない。
ただ、時代は確実に変わったのだと思う。
私が授業を受けていた頃は、ホームページやSEOがマーケティングの中心だった。
検索する人がいて、その人に正しい情報を届ける。
良いコンテンツを積み重ねれば評価される。
そんな世界だった。
ところが、今のYouTubeは少し違う。
多くの人は検索して動画を探しているわけではない。
アルゴリズムが「これも見てみたら?」と動画を次々に勧めてくる。
その世界では、教科書通りの正しさだけでは勝てない。
サムネイル。
タイトル。
最初の数秒。
そして、「続きが気になる」と思わせる見せ方。
そういう要素が、昔よりずっと重要になっている。
先生が、その変化に対応できていないのかどうかは分からない。
あるいは、本人は動画制作にほとんど関わっておらず、学生やスタッフに任せているだけなのかもしれない。
そもそも動画を教材にするために、講義用に作っただけかもしれない。
そこは外からは分からない。
ただ、一つだけ思ったことがある。
マーケティングは、資格や肩書きを持っている人が勝つ世界ではない。
昨日まで通用した成功法則が、今日はもう通用しない世界なのだ。
これはYouTubeだけの話ではない。
AIも同じだ。
一年前の「AI活用法」を得意げに語っていた人が、今ではすっかり時代遅れになっていることも珍しくない。
私自身も、十年後には同じ立場になっているかもしれない。
だから、「先生も時代遅れになったな」と笑うより、「自分もこうならないように勉強し続けよう」と思った。
MBAではマーケティングを教えてくれる。
でも、YouTubeはマーケティングができているかを毎日採点してくれる。