ガートナーも外した。だからAIの未来なんて誰にも分からない。

先日、2023年版のガートナー・ハイプサイクルを眺めていた。

当時の図では、大規模言語モデル(LLM)はすでに「幻滅期」に入り始めるような位置づけになっている。

つまり、

「期待は大きかったが、そろそろ現実を知る時期」

という見立てだった。

結果は、ご存じの通りである。

幻滅どころか、その後の2〜3年でAI業界はさらに加速した。

GPUは世界中で奪い合いになり、各社は数十万枚単位でGPUを並べ始めた。

企業はAI投資を競い、国家までAIインフラを語る時代になった。

2023年当時の予測では、プロンプトエンジニアリングが今頃の主役になっているはずだった。

確かに一時期は大流行した。

しかし今では、プロンプトを工夫するより、AI自身に考えさせたり、エージェントを組ませたり、ツールを呼び出させたりする話題の方が圧倒的に多い。

流行の移り変わりが速すぎる。

もちろん、ハイプサイクルは未来予測だ。

外れること自体は何もおかしくない。

ただ、今回のLLMについては、かなり大胆に外した部類ではないだろうか。

当時でも「それなりに自然な文章を書くAI」になることは多くの人が理解していた。

しかし、

そんな万能ツールになるとは、多くの人は思っていなかった。

一部の研究者や開発者は可能性を語っていたが、多くの人の認識は「少し賢いチャットボット」くらいだったように思う。

では、この先はどうなるのか。

正直、分からない。

今の流れを見る限り、性能向上はまだ止まっていない。

当面はGPUを積み続け、電力を使い続け、人間と電力を奪い合うような世界へ進むのかもしれない。

どこかで物理的な限界にはぶつかるだろう。

その先は、省電力なGPUだったり、より効率の良いアルゴリズムだったり、同じ性能をもっと少ない計算資源で実現する方向へ向かうのかもしれない。

……いや、ここまで書いて思った。

ガートナーのような世界有数の調査会社ですら、この波を読み切れなかった。

それなのに、私が未来を予想したところで当たる保証などどこにもない。

だから最近は、AIの未来について断言する人を見ると、「本当にそうかな」と思うようになった。

来年、「人格を持ったAIが実用化されました」とニュースになっても、もう驚かない気がする。

逆に、「性能向上が頭打ちになりました」と言われても、それはそれで納得するだろう。

AIの未来について、今もっとも正確な答えは、おそらくこれだ。

「誰にも分からない。」