「メンバーの時間」を軽視するPMは、たいてい現場も壊す
昔からたまにいる。いや、わりとよくいる。
「5分だけ」と言って30分会議を延長するPM。 定時後に当然のように打ち合わせを入れるPM。 開始時間に普通に遅れてくるPM。
しかも本人は、なぜか清々しいほど悪いと思っていない。 「忙しいので」と言えば許される、と本気で信じているフシがある。
時間を奪っている自覚がない
プロジェクトマネージャーは「人を動かす仕事」なので、つい勘違いしやすい。 人を動かしているうちに、人の時間まで自分のものだと思い始める。
でも、メンバーの時間はPMの所有物ではない。当たり前の話なのだが、これを言わないと伝わらない人が一定数いる。
特にエンジニアの作業は、集中状態に入るまで時間がかかる。 30分の会議を1本差し込まれるだけで、その前後含めて1〜2時間飛ぶことも普通にある。
それを理解せず、
- 「ちょっと確認」
- 「軽くMTG」
- 「5分だけ」
を乱発する。
なお、「ちょっと」も「軽く」も「5分」も、ほぼ確実に嘘である。
会議に遅れる人は、だいたい段取りも悪い
会議に毎回遅れるPMを見ていると、かなりの確率でプロジェクト全体の整理も雑。
- アジェンダがない
- ゴールが曖昧
- 誰が決めるか不明
- 宿題が管理されない
- 同じ話を何度もする
結果として、会議時間が伸びる。そして次の会議にまた遅れる。完璧な永久機関である。
本人は「忙しいから仕方ない」と思っているが、周囲から見ると、忙しいのではなく、ただ管理ができていないだけだったりする。
一番危険なのは「メンバーには無理を言っていい」という感覚
もちろん、本当に炎上しているなら話は別。
障害対応、リリース事故、納期直前。 そういう状況では全員で踏ん張るしかない時もある。
でも問題なのは、平常時からずっとそれをやるPM。なんなら、平常時こそ全力で無茶を言う。
- 夜会議が常態化
- 無計画な仕様変更
- 「今日中にお願いします」(朝言え)
- 「休日ちょっと見れます?」(見ません)
- 「若いから大丈夫でしょ」(大丈夫ではない)
これを繰り返す。
そして優秀な人から順番に、静かに辞めていく。
残るのは疲弊した現場と、なぜか自分は有能だと思い込んでいるPMだけ。
「クライアントにはその態度を取れるのか?」
これを考えると一発で分かる。
クライアントとの会議に毎回10分遅れるか? 定時後に突然2時間拘束するか? 「今日中に全部やっといて」を雑に投げるか?
普通はやらない。やったら次の契約はない。
つまり、できないのではなく、「相手を選んでやっている」。
メンバーなら無理を言っていい。 社内の人間だから雑に扱っていい。
その判断は、本人が思っているよりずっとはっきりと現場に伝わっている。
PMに必要なのは「管理」より先に「配慮」
PMというと、進捗管理や資料作成ばかり注目される。 立派なガントチャートを引いているうちに、人間のことを忘れる。
でも実際に効くのは、
- 人の集中力を邪魔しない
- 必要以上に拘束しない
- 早めに連絡する
- 会議を時間通りに終わらせる
- メンバーの生活リズムを壊さない
こういう、書き出すと当たり前すぎて拍子抜けするような基本のほうだったりする。
結局、時間感覚が雑なPMは、プロジェクト全体も雑になる。 そして雑なプロジェクトの責任は、なぜか毎回現場が取らされる。