お客さんが見たいものを作る?
私は今、このブログを書いている。
ネタは完全に気まぐれだ。
AIの話を書いたり、歴史の話を書いたり、英語の話を書いたりする。
正直、自分が興味を持てないテーマは書いていない。
そもそもこのブログで大金を稼ごうとも思っていない。
仕事につながったらラッキーだとは思うが、そこまで強く期待しているわけでもない。
だから好き勝手に書いている。
昔はYouTubeもやっていた。
AWSの使い方とか、技術解説とか、エンジニア向けの動画を作っていた。
結果は散々だった。
……と言いたいところだが、実は再生数以前の問題だった。
続かなかったのである。
ネタ切れ。
動画制作は思った以上に大変だった。
撮影して、編集して、サムネイルを作って。
数本作ったら、もう自分の中から次のネタが出てこない。
そこで私は自分の得意分野はいったん置いておいて「再生されるチャンネルの作り方」を調べた。
とりあえずテーマにこだわらず、見られるチャンネルを作ろうかと思ったのだ。
すると出てくるのはだいたいこんな話だった。
- 伸びているチャンネルを徹底的に研究しろ
- 成功パターンをコピーしろ
- オリジナル要素は後回し
- 自分の言いたいことではなく視聴者が見たいものを作れ
- 視聴者は正解を求めているのではなく共感を求めている
要するに、
見てほしいなら、見られるコンテンツを作れ。
ということだ。
理屈はわかる。
実際、そのほうが成功確率は高いのだろう。
でも私は途中で思った。
無理だな、と。
もしYouTube一本で食べるつもりなら話は別だ。
徹底的に市場調査をして、人気テーマを追いかけて、アルゴリズムに最適化するだろう。
しかし私はエンジニアだ。
本業は別にある。
趣味の時間まで市場調査をして、「今週の視聴者が求めるコンテンツ」を量産する気力はなかった。
ただ、この経験で学んだことはある。
コンテンツで本気で飯を食う人たちは、本当にすごい。
クリエイターというと「好きなことを自由にやっている人」というイメージがある。
でも実際は逆なのかもしれない。
自分のこだわりを捨てて、
自分の言いたいことを我慢して、
ユーザーが欲しいものだけを出し続ける。
それはそれで職人芸だ。
少なくとも私には向いていなかった。
だから今も、このブログでは好き勝手なことを書いている。
AIの話を書いた次の日に、インドの失業問題を書き、その次の日にはヒモ理論の話を書いたりする。
マーケティング的には最悪だと思う。
でも続いている。
YouTubeは続かなかった。
ブログは続いている。
たぶん私にとって重要だったのは、読まれることよりも、書き続けられることだったのだろう。
そして現実問題として、再生数ゼロの動画より、気まぐれでも10年続くブログのほうが強い気がしている。