年齢差別という現実
こないだ、日本のとあるサービスからオファーが来た。
「あなたの経歴が素晴らしい。ぜひ社員として働きませんか?」
そんな感じの内容だった。
まあ、こちらとしても悪い気はしない。
一応プロフィールや職歴を見た上で連絡してきたのだろうと思い、返事をした。
ただ、一点だけ確認した。
「既に50代になっていますが、それでも社員のお誘いでしょうか?」
すると返ってきたのは、
「検討した結果、ご期待に添えません。今後のご活躍をお祈りします」
だった。
いや、待て。
そもそも応募してない。
そっちから声を掛けてきた。
勝手にオファーしてきて、勝手に検討して、勝手にお断りしてきて、最後に「ご期待に添えません」。
期待していたのはどっちなんだ。
思わず画面を二度見した。
おそらく年齢の話が出た瞬間に選考終了だったのだろう。
もちろん会社にも事情はある。
年齢構成だの給与レンジだの、組織バランスだの。
それは理解できる。
だが、だったら最初からプロフィールくらい読んでから声を掛けてほしい。
私の年齢は隠していない。
計算が正しければ、職歴を見ただけでも50代であることはほぼ分かる。
むしろ途中まで気付いていなかったのだとしたら、そちらのほうが少し心配になる。
アメリカならどうなのだろう。
年齢差別に厳しいと聞くので、場合によっては面倒なことになるのかもしれない。
まあ私はアメリカの法律には詳しくないので断言はしない。
ただ、日本ではこういう話は珍しくない。
だから私はリクルーターやエージェントから連絡が来ても、最初はかなり冷ややかに見ている。
「ああ、また来たか」
くらいの感覚だ。
もちろん、まともな人もいる。
実際に良い案件を紹介してくれた人もいる。
だから全部無視するのも機会損失になる。
多少不愉快なことがあっても、内容に興味があれば返事はする。
ただ、最近は海外のリクルーターから、
「Javaできるか?」
「Java経験何年?」
だけ送ってくる人もいる。
本当にその二行だけ。
挨拶もない。
プロフィールを読んだ形跡もない。
なぜ私に送ったのかも分からない。
もしかすると世界のどこかに、
「人間関係という概念を極限まで最適化した営業手法」
が存在するのかもしれない。
残念ながら私は日本人なので、その文化にはまだ適応できていない。
そういうメッセージはだいたい無視する。
そして静かにつながりを削除する。
向こうからすると、
「なぜ返事がない?」
と思うのかもしれない。
こちらからすると、
「なぜ返事が来ると思った?」
なのである。
結局のところ、採用も営業も人間同士の話だ。
AIの時代になっても、そのへんは変わらない。
最近はAIが職務経歴書を読んで、AIが候補者を探して、AIがスカウト文を作っている時代だ。
そして、その結果として送られてくるのが、
「Javaできるか?」
なのかもしれない。
技術の進歩とは、なかなか味わい深いものだと思う。