AI案件という謎の生き物
先日、以前お世話になったエージェントから連絡が来た。
「AIを使ったシステム構築案件があるのですが、興味ありますか?」
詳細はまだわからないらしい。
とりあえず話だけ聞かせてください、と返事をした。
最近こういう話が増えている。
ただ、毎回思う。
AI案件って、何をやる案件なんですか?
AI案件の中身がふわっとしすぎている
例えば「Java案件」と言われればだいたい想像がつく。
Webシステムなのか業務システムなのかは別として、少なくとも何を作る人が必要なのかは見える。
ところがAI案件になると急に話が曖昧になる。
AIと言っても幅が広すぎる。
私の頭の中では大雑把にこんな分類だ。
1. モデル開発系
AIそのものを作る仕事。
新しいモデルの研究をしたり、学習アルゴリズムを改善したりする。
数学、統計、論文読解、GPUクラスタ。
もはや研究職である。
正直、これは私の守備範囲ではない。
そもそもこういう案件がフリーランス向けエージェントから流れてくる気がしない。
2. 機械学習系
これも幅が広い。
モデルを設計して学習させる人もいれば、出来上がったモデルを組み込む人もいる。
前者はデータサイエンティスト寄り。
後者はソフトウェアエンジニア寄り。
ところが募集要項を見ると、両方まとめて「AIエンジニア」と書いてあることがある。
いや、それ結構違う職種だろう。
3. LLMシステム構築系
最近一番多いのはこれだと思う。
ChatGPTやClaudeやGeminiを利用してシステムを作る仕事。
RAGを組んだり、エージェントを作ったり、ワークフローを作ったりする。
こちらは私の仕事にかなり近い。
AWSやデータベースやAPI連携や認証基盤。
結局やっていることの大半は普通のシステム開発だったりする。
AIは重要な部品だが、全部ではない。
私はどこまでできるのか
私自身、数学のバックグラウンドはある。
理学系出身なので統計や数式を見てアレルギーはない。
ただし、機械学習の研究者ではない。
Transformerをゼロから実装しろとか、独自モデルを学習させろと言われたら厳しい。
一方で、
- LLMを使ったシステム構築
- AWS上への実装
- API連携
- RAG
- エージェントシステム
このあたりなら普通に仕事として対応できる。
だから案件の説明で「AIをやっています」と言われても、
「どのAIですか?」
と聞きたくなるのである。
発注側も迷っている気がする
たぶん面白いのはここだ。
発注側もエージェントも、まだAI人材をうまく分類できていない。
昔なら、
「Javaエンジニア募集」
「AWSインフラエンジニア募集」
で済んだ。
ところが今は、
「AIができる人募集」
になってしまう。
そして実際に話を聞くと、
「ChatGPTのAPIを使って検索システムを作りたいんです」
だったりする。
それはAI研究者ではなく、普通にシステムエンジニアの仕事ではないか。
たぶん今回もそうだと思う
もちろん蓋を開けてみないとわからない。
ただ、ガチの研究職案件をフリーランスエージェント経由で紹介してくるとはあまり思えない。
おそらく、
「AIを使った何かを作りたい」
という話であり、
実際に必要なのは、
「AIを部品として使いながらシステムを構築できる人」
なのだろう。
少なくとも私はそう予想している。
それにしても最近のAI案件は本当に不思議だ。
案件名はAI。
募集要項もAI。
面談でもAI。
しかし話を聞いていくと、最後はいつもAWSとデータベースとAPIの話になる。
結局のところ、AI時代になってもエンジニアの仕事は相変わらず変わらないのである。