「爆速開発」が招く罠:AI時代に不可欠な「期待値コントロール」の技術
最近、AIを使って開発していると時々怖くなる。
昔なら半日かかっていた作業が10分で終わる。
1日かかると思っていた調査が、昼飯前に片付く。
プログラマとしては夢のような世界だ。
だが、この「速さ」には少しだけ危険な匂いもする。
「速い」が「普通」になる
依頼された機能をAIの力でサッと実装する。
最初、お客さんは喜ぶ。
「え、もうできたんですか!」
こちらも少し得意になる。
しかし人間は慣れる。
そして期待値は必ず上がる。
- 第1段階:「すごい!」(感動)
- 第2段階:「まあ、このくらいはできるよね」(慣れ)
- 第3段階:「あれ?今回は遅くないですか?」(不満)
昨日まで神だった人が、今日は普通の人になり、明日には無能扱いされる。
なかなか理不尽な世界である。
やるべきことは「期待値管理」
だから最近は、AIで30分で終わる仕事でも、
「確認も含めて午後にはお返事します」
くらいにしている。
別にサボっているわけではない。
テストもある。
仕様確認もある。
ドキュメントもある。
そして何より、世の中には「想定外」という恐ろしい生き物がいる。
AIが速くなったからといって、プロジェクトから不確実性が消えたわけではない。
むしろ実装だけが異常に速くなったので、期待値とのギャップが目立つようになった。
完成と実装は違う
AIが得意なのはコードを書くところまでだ。
その後の確認、レビュー、品質保証は相変わらず人間の仕事である。
だから本来は、
「コード完成」
と
「仕事完成」
は別物だ。
ところが画面共有でAIがコードを吐き出すところを見せると、
「じゃあもう終わりですよね?」
という話になりがちだ。
いや、そこからが本番なんですけどね。
神にも無能にもならない
結局のところ、AI時代に必要なのはAIの使い方ではなく、期待値の管理なのだと思う。
無理に神になる必要はない。
神になると、次回から神の仕事を期待される。
かといって無能と思われても困る。
適度に余裕を持ち、安定して成果を出し続ける。
たぶんそれが一番長生きできる。
……などと偉そうなことを書いているが、実はこの文章もAIの助けを借りて10分くらいで書いている。
もし読者の皆さんが次回から、
「ブログも10分で書けるんですよね?」
と言い始めたら、この記事の主張が完全に証明されたことになる。