タイトル:年収3000万のプロンプトエンジニアはどこへ消えたのか?——結局「本業」が強い人が残る話
少し前まで、やたら見かけた。
「プロンプトエンジニア、年収3000万円」 「AIに指示するだけで高収入」 みたいな記事。
でも、2026年の今、周囲を見渡してみて、プロンプトを打つこと“だけ”で超高収入を維持している人って、実際どれくらいいるんだろう。
少なくとも、自分の観測範囲ではほぼ見ない。
もちろん当時、AI業界で高年収の人がいたのは事実だと思う。 ただ、実態としては「AIの中の人」に近かったはず。
LLMの仕組みを理解していたり、モデルを組み込んだシステムを設計したり、GPUや推論コストを考えたり、業務フローに落とし込んだり。
要するに、「プロンプトを打つ人」ではなく、ちゃんとしたAI専門職だったんだと思う。
「新しい肩書き」の賞味期限はめちゃくちゃ短い
IT業界って昔からこういうのがある。
何か新しい言葉が出る。 ↓ 一瞬だけレアスキル扱いされる。 ↓ みんな勉強する。 ↓ 普通のスキルになる。
これの繰り返し。
クラウドもそうだったし、スマホアプリもそうだったし、今はAIがそのフェーズにいる。
しかも、プロンプトって参入障壁が低い。
極端な話、日本語が打てれば今日からできる。
だから当然、人が一気に流れ込む。 すると希少価値は急速に落ちる。
市場原理としてはかなり自然な流れ。
じゃあAI時代に何が強いのか
結局、昔から言われてる話に戻る気がしている。
「本業が強い人が強い」
AIは便利。 これは間違いない。
自分も毎日使ってるし、もう無いと仕事にならないレベル。
でも実際に現場で感じるのは、AI単体で価値が生まれるというより、
「既存の専門性 × AI」
の掛け算になってるケースがほとんど。
例えばエンジニアなら、単にコードを出力するだけじゃなくて、
- その設計で保守できるのか
- 障害時に運用できるのか
- セキュリティ的に危なくないか
- 将来の変更に耐えられるか
みたいな、「現実の責任」を考えないといけない。
AIはコードを書く速度は上げてくれる。 でも、「何を作るべきか」と「それを本番で運用して大丈夫か」は、結局まだ人間の仕事。
これはエンジニアに限らない。企画やマネジメントも同じで、AIで叩き台までは作れても、関係者の調整・予算・社内政治・最終責任みたいな泥臭い部分は、結局まだ人間の仕事になる。
「キャッチアップ力」だけでは長続きしない
もちろん、新しい技術を追うのは大事。
自分も新しいものはかなり触る方だと思う。
ただ、最近すごく感じるのが、
「新しいものを追うこと」自体を職業にするのは結構しんどい。
流行のサイクルが速すぎる。
去年の「最先端」が、半年後には普通になってる。
だから最終的には、
「自分は何屋なのか」
が残る。
AWSに強いのか。 業務知識があるのか。 金融なのか。 組み込みなのか。 データ分析なのか。
その土台の上にAIを乗せた人が、結局強い。
ちなみに
「プロンプトエンジニア、年収3000万」を煽ってた当時のメディアは、 最近は「バイブコーディング職人、月収500万」みたいな記事を書いてる。
たぶん半年後にはまた別の肩書きが出てくる。
毎回乗り換えてたら、人生いくつあっても足りない。
なので今日も、地味に本業を磨きながら、 めんどくさい作業はAIに投げて、さっさと寝る。
たぶん、それで合ってる。
そして数年後、 「あの頃AIが流行ってたよね〜」 とか言いながら、次の「年収◯◯万の△△エンジニア」の記事をブクマしてる気がする。
人間、あんまり進歩しない。