GoogleはなぜAI市場で勝っている感じがしないのか。ある評論家の話が妙に腑に落ちた

先日、AI業界について話している評論家の動画を見ていた。

そこで「なぜGoogleは、あれだけAIに投資しているのに、AnthropicやOpenAIほど勝っている感じがしないのか」という話をしていた。

もちろんGoogleの技術力が低いわけではない。Geminiは普通に賢いし、画像や動画にも強い。検索、YouTube、Android、クラウドまで持っている。

どう考えても強い。

それなのに、毎日AIを使ってプログラムを書いている私からすると、最近の主役はClaude Codeだ。OpenAIもCodexで猛烈に追いかけている。

Googleは何をしているのだろう。

評論家の説明をかなり乱暴に要約すると、Googleはもっと大きなものを狙っているからではないかという話だった。

今、一番お金になるのはプログラミング

現在の生成AIで、最も分かりやすくお金になる分野の一つがプログラミングだ。

私自身、毎日Claude Codeを使っている。

コード生成からテスト、デバッグ、リファクタリングまで、開発作業のかなりの部分をAIに任せるようになった。

企業のシステム開発は動く金額も大きい。AIがプログラミングの現場に入り込めば、そのまま企業の開発予算に食い込める。

だからAnthropicはClaude Codeを猛烈に強化しているし、OpenAIもCodexに力を入れている。

言い方は悪いが、競争のルールは非常に分かりやすい。

どちらが人間の仕事を多く奪えるか。

人間の作業を多く代替できるAIほど、企業は金を払う。

Googleはもっと大きなものを狙っていた?

ここで先ほどの評論家の話に戻る。

その人の見立てでは、Googleはプログラミングという一分野だけで勝とうとしているわけではない。

Geminiを見ても、文章、画像、動画、音声、プログラミングと非常に守備範囲が広い。

Googleが狙っているのは、特定の仕事に強いAIではなく、最終的には何でもできるAGIに近いものではないか、という話だった。

もちろんGoogleが公式にそう言っているわけではない。あくまで評論家の分析だ。

ただ、この話を聞いて少し腑に落ちた。

Claude Codeを使っていると、Anthropicが何をしたいのかは非常に分かりやすい。とにかくプログラミングをさせたいのだ。

最近のモデルは、こちらが多少雑に指示してもコードを読み、意図を推測し、自分で調査して作業を進める。

一方、Geminiは何でもできる。

しかし、私の仕事であるプログラミングだけを見れば、今のところ「Claude CodeをやめてGeminiにしよう」とはならない。

万能選手を作っている間に、専門家に市場を取られた。

そんな構図なのかもしれない。

ただし、Googleもようやく動き始めた

とはいえ、この話には一つ補足がある。

Googleもプログラミング市場を無視しているわけではない。

2025年にはAntigravityというAI開発環境を発表し、その後もかなり力を入れている。

AIエージェントがコードを書くだけではなく、エディタやターミナル、ブラウザまで操作して作業を進める。

どう見てもClaude CodeやCodexと同じ市場だ。

つまりGoogleも、万能AIを作っていればそれでいいとは考えていないのだろう。

評論家の分析が正しいとすれば、Googleもようやく「今、金になる専門領域」に本格的に目を向け始めたことになる。

ただ、少なくとも私の周りでは、まだClaude CodeほどAntigravityの名前を聞かない。

私自身も使っていない。

この差は結構大きい。

AIツールは性能だけで決まるわけではない。一度開発フローに入り込むと、簡単には乗り換えない。

私もClaude Codeを前提にプロジェクトの構成やドキュメントを整備している。多少Geminiの性能が上がったくらいでは、全部捨てて移る気にはならない。

Googleは技術で遅れたというより、専門領域の市場を取りに行くのが少し遅かったのかもしれない。

Googleの賭けは間違っていたのか

もちろん、Googleが負けたと決めるのは早い。

もし本当にAGIに近いものをGoogleが先に作れば、今の競争は全部ひっくり返る。

プログラミングAI、動画生成AI、画像生成AIという分類そのものがなくなり、「何をやらせても一番賢いAI」を使えばいい世界になるかもしれない。

AnthropicやOpenAIは、今すぐ金になる市場を猛烈な勢いで取りに行く。

Googleはもっと大きなものを狙っていた。

そしてAntigravityを見る限り、Googleもようやく目の前の市場を取りに来た。

――というのが、私が見た評論家の話と、実際の製品を見て感じたことだ。

正しいかどうかは分からない。

ただ、今日も私はClaude Codeでプログラムを書いている。Antigravityではない。

未来のAGI競争で誰が勝つかは知らないが、少なくとも今月の私の100ドルはAnthropicに払われている。

GoogleがAntigravityを出したからといって、私の100ドルがすぐGoogleに移動するわけではない。

先に専門領域を取るというのは、たぶんそういうことなのだ。