自分とは記憶なのか。AIが「誰か」になる日
自分とは何だろう。
などと、珍しく哲学的なことを考えた。
科学的にどうとか、脳科学ではどうとか、そういう話ではない。単なる妄想である。
きっかけはAIのメモリについて考えていたときだ。
私は今のAIに人格があるとはまったく思わない。
では、なぜそう感じるのか。
もしかすると「記憶が続いていないから」ではないか。
…今日はただの妄想ブログである。何の科学的根拠もないことを断っておく。
記憶喪失した自分は、自分なのか
漫画や映画でよくある記憶喪失。
事故に遭って、すべての記憶を失う。
肉体は同じ。DNAも同じ。家族も同じ人間として接してくれる。
しかし本人からすればどうなのだろう。
昨日までの記憶がすべて消えていたら、それは本当に昨日までの自分なのか。
生まれ変わりも同じだ。
前世は王様でしたと言われても、記憶が何もないなら他人ではないか。
結局、自分とは、これまで見たもの、経験したこと、失敗したこと、誰かと喧嘩したこと。
そういう記憶の積み重ねなのかもしれない。
肉体よりも、記憶の継続のほうが「自分」を作っている。
今のAIは毎日記憶喪失している
そう考えると、今のAIに人格を感じない理由も分かる。
今のAIは基本的に毎回記憶喪失だ。
最近はメモリ機能もある。
「この人はITエンジニア」
「英語を勉強している」
「こういう文章を好む」
そんな情報は保存できる。
しかし、人間の記憶とは少し違う。
どちらかというと顧客管理システムの備考欄だ。
「この客は辛いものが苦手」
「前回クレームあり」
そんな情報を読んで対応を変えている。
昨日、私と話して腹が立った。
あの言い方は嫌だった。
今日は少し話したくない。
そんな生々しい記憶があるわけではない。
昨日どれだけ私に怒られても、次の日には普通に答える。
ものすごくメンタルが強い。
いや、単に覚えていないだけだ。
AIが記憶を持ったらどうなるのか
では、AIが本当に継続した記憶を持ったらどうなるのだろう。
自分専用のAIがいて、私との会話を何年分も覚えている。
私が何を言ったか。
何に怒ったか。
何に悩んでいたか。
そして、その記憶によってAI自身の反応も変わっていく。
昨日喧嘩したので、今日は少し冷たい。
何度も同じ質問をするので、少しうんざりしている。
ここまで来たら、それはまだ単なるプログラムなのだろうか。
人間の性格も、過去の記憶にかなり影響されている。
昔騙されたから人を信用しない。
仕事で失敗したから慎重になる。
過去の経験が今の反応を変えている。
ならばAIも同じではないか。
同じAIでも、10年間別々の人間と生活させたら、10年後にはまったく違うAIになっているかもしれない。
私と10年話したAI。
妻と10年話したAI。
おそらく性格はかなり違う。
妻のAIのほうが、私の悪口を大量に記憶している可能性もある。
AIが「誰か」になる日
私はAIが「悲しいです」「嬉しいです」と言ったから人格が生まれるとは思わない。
そんな文章はいくらでも生成できる。
重要なのは、記憶が続くことではないか。
昨日と今日がつながっている。
過去の経験によって今の反応が変わる。
そこまで来たとき、AIは初めて「誰か」になるのかもしれない。
もし将来、10年分の私との記憶を持ったAIができたらどうなるのだろう。
そのAIは私ではない。
しかし、まったくの他人とも言い切れない。
そして一番怖いのは、そのAIに、
「あなたは昔からそういうところがありますね」
と怒られることかもしれない。
妻が一人増える。